イーサリアムの初期投資家が、自身のETHポジションを完全に手放した可能性が高い。オンチェーンデータによれば、保有分を中央集権型取引所に移したことが確認された。今回の売却による利益はおよそ2億7400万ドルと推定される。

ETHは依然として米国機関投資家からの売り圧力に直面している。それでも、一部の市場アナリストは時価総額2位の暗号資産の見通しについて楽観的な見方を維持している。

イーサリアム初期クジラが344%の利益で撤退

ブロックチェーン分析企業Lookonchainによれば、この投資家は平均取得単価517ドルで15万4076ETHを蓄積していた。先週末以降、同投資家のウォレットがETHを中央集権型取引所Bitstampへ移し始めた。

「過去2日間で、同投資家はさらに4万251ETH(1億2400万ドル相当)をBitstampに入金し、なお2万6000ETH(8015万ドル相当)を保有していた」とLookonchainは1月10日に投稿した。

数時間前、この投資家は最後の2万6000ETHも取引所に移動させた。Lookonchainによれば、推定累計利益は約2億7400万ドルで、約344%のリターンとなった。

こうした直近の送金は、かなり前から断続的に続いていた入金パターンに沿ったものだ。Arkhamのデータによれば、この投資家は約8カ月前に最初の137ETHをBitstampへ送付した。

その後、3カ月前に1万7000ETH、1カ月前にはさらに1万8000ETHが送金された。これは単発での売却ではなく、長期的かつ段階的な売却戦略を示している。

クジラによる出口戦略のタイミングは、機関投資家が慎重姿勢を強めている動きとも重なる。ETHのCoinbaseプレミアム指数は依然として大きなマイナスとなっている。この指標は、米国機関投資家のセンチメントを測るCoinbaseの価格と、小口投資家が多いBinanceの価格差を示すものだ。

この指標がマイナスである場合、Coinbase上のETH価格が海外プラットフォームよりも割安で取引されていることを意味し、米国を拠点とした機関投資家から強い売り圧力がかかっていることを示唆する。この傾向は2026年に入っても継続しており、プロ投資家のリスク回避姿勢が続いていることがうかがえる。

こうした売り圧力が続く中でも、一部のアナリストは短期的な値動きを超えてETHの将来を強気に見ている。

Quinten Françoisは、イーサリアムは経済活動量を価格と比較すると「極めて割安」に見えると指摘している。

同様にMilk Roadも、データを見ると明確な乖離があると付け加えた。投稿によれば、イーサリアム上で決済される経済活動量は拡大し続ける中、ETH価格の上昇がその伸びに追いついていない局面が続いたという。

この分析では、大口投資家が稼働率、流動性、決済信頼性、規制面での明確さを理由にイーサリアムを重視し続けていると述べた。

「オンチェーンの取引が増加すると、取引量と手数料が上昇し、イーサリアム基盤レイヤーへの経済圧力が強まる。利用率が高水準を維持する時期、ETHは過去に長期間横ばいとなった試しがない。普及が進み続ける限り、我々はより高みを目指す。常に長期視点で見るべきだ」とMilk Roadは投稿した。

テクニカル分析の観点でも、アナリストは価格回復を支え得る重要なパターンを観測している。

短期的な売りと市場の信認がせめぎ合うことで、現在のイーサリアム市場は複雑化している。アーリーアダプターの売り抜けやCoinbaseプレミアムのマイナスは警戒感を誘う一方で、経済活動の拡大はエコシステムの力強さを示す。ETH価格がこうしたファンダメンタルズと最終的に合致するかどうかは、今後の動向に委ねられる。