暗号資産ファンドは先週、4億5400万ドルの流出を記録し、年初に見られた15億ドルの流入がほぼ消失した。
今回の売りは、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月に利下げを行うとの期待が弱まったことが背景と見られる。直近のマクロ経済指標を受け、FRBが現行政策を維持するという観測が強まっている。
米金利引き下げ期待後退で暗号資産ファンド454億円減
最新のCoinSharesデータによれば、先週の暗号資産流出は、4日連続で計13億ドルに上った。
これは、2026年最初の2営業日に見られた強気なムードをほぼ完全に打ち消した。1月2日(金)は年初から好調な滑り出しで、6億7100万ドルが暗号資産ファンドへ流入していた。このことは、投資家センチメントの急激な変化を鮮明に示している。
地域別では、米国が流出を主導し、5億6900万ドルの資金が引き揚げられた。一方、米国外の複数の国では、流行に逆行する動きも見られ、米国外で暗号資産投資商品の採用が広がっている現状を示す。また、マクロ経済要因が投資家センチメントに与える影響も浮き彫りとなった。
「このセンチメントの転換は、主に直近のマクロ指標発表を受け、3月のFRB利下げ観測が後退したことによる投資家の懸念に起因すると見られる」とレポートは指摘する。
実際、FRBの利下げ確率は大きく低下し、CME FedWatchツールでは利下げの可能性が5%にとどまっている。
この影響はセンチメントにも明確に現れ、ビットコインが特に大きな打撃を受けた。ビットコイン関連の投資解約は先週4億500万ドルに達した。
ショート・ビットコイン商品でも920万ドルの小幅な流出が見られ、市場の期待感にばらつきが出ている。イーサリアムも1億1600万ドルが流出し、マルチアセット商品でも2100万ドルの資金流出となった。
バイナンス商品では370万ドル、アーベ商品でも170万ドルの小規模な流出が確認された。
アルトコインに選別的な上昇傾向
こうした全体的な資金流出にもかかわらず、一部アルトコインへは資金が流入した。XRPは4580万ドル、ソラナは3280万ドル、スイは760万ドルの新規流入を記録。これは、多くの投資家が暗号資産市場全体ではなく好調な銘柄へ資金をローテーションする傾向を強めていることを示す。
この資金ローテーションは、2026年初頭に見られた動きとも一致する。前の週から、投資家はイーサリアム・XRP・ソラナへの資金配分を増やし、ビットコインへの投資を控える傾向が現れていた。これは伝統的な主要銘柄から選別型投資への転換を示す。
2025年を振り返ると、世界の暗号資産ファンドの流入額は472億ドルとなり、2024年の過去最高488億ドルに迫った。イーサリアムは127億ドルの流入となり、前年比138%増と大きく伸びた。
XRPは500%増の37億ドル、ソラナは1000%増の36億ドルに急増した。一方で、広範なアルトコイン市場の流入は前年比30%減となり、投資家の関心が好調銘柄に集中している現状が明らかとなった。
したがって、今回の4億5400万ドルの流出は市場崩壊を意味するものではなく、投資家がマクロ経済状況を見極めている一時的な調整局面といえる。ビットコインよりも確信度の高いアルトコインへの選別投資が進んでいる。



